アンプティフルールについて

アンプティフルールの誕生

2002年4月に相模原市南区相模台に、自店アンプティフルールをオープンしました。19才から40年以上この業種に携わり都内の洋菓子店で20年を超える歳月をチーフパティシエとして務めました。修業時代には、ホテルのデザートやフランス菓子、アメリカンスイーツ、ドイツやイタリアのスイーツなど、様々なスイーツを学び、自分自身の向上に励んでいました。

そのかいもあり、東京スプラウト会主催「第32回新作商品・新技術発表会」年齢無制限のフリークラス部門での入賞という経験をすることが出来、他のパティシエと競う中で得た知識や技術は、現在の店舗をオープンする上で大いに役立っています。フランス国立製菓学校、ベルエコンセイユパリでの研修、スイス、オーストリアで勉強出来た事も、それにつながっていると思います。

20年以上もチーフパティシエとして勤める中で得られた事それは、人との出会いです。地方から実家の家業を継ぐために上京してくる後輩を指導し、実家に戻り、家業を継いで長い歳月が過ぎた今でも、全国に戻った後輩から、いろんな情報収集や交換が出来る事はお店のプラスになっていると思います。

S-Sweetが出来たのは、お客様からの相談からでした。

お店をオープンしてしばらくしたころ、一人の女性のお客様がお店を訪ねて来られました。「御相談があるんですが。」と言われてそのお話を聞きました。5歳になる女の子がいて、遠方から、お店の前の病院(独立行政法人国立病院機構・相模原病院)にアレルギー治療に2ヶ月に一度通院しているとの事でした。娘さんも、病院に行きたがりません。それで「病院で頑張った、その御褒美にしたいんです。そういうスイーツを作って頂けないでしょうか。」それが相談内容でした。

何軒か洋菓子店に問い合わせたところ、原材料に卵や乳製品を使っていなくても、アレルギーに対応したスイーツとしては販売していませんと断られたそうです。私も子供の頃、歯医者に行くのが嫌で母親を相当困らせていました。しかし歯医者の帰りに、当時大好物だった鯛焼きを買ってもらえることで、何とか通院していたことを思い出しました。

そのご相談をうけることを決めて、勉強や試行錯誤を重ねて作ったスイーツは、お客様に大変喜んで頂け、娘さんも笑顔で「ありがとうございます。」と言って頂いた時は、私自身も感動しました。

アレルギーに対応したスイーツを作る上で大事なことは、もちろんそのアレルギー材料を使用しない事は必然ですが、製造過程による混入防止を防ぐため、器具備品の洗浄や、布巾の殺菌等、専用の焼成天板を使い、細心の注意を払ってその管理に務める事が最も重要な事だと思います。「お客様からの相談」それがきっかけで作り始めたS-Sweetも、勉強や試作を重ねて、少しずつですがアイテムも増え、いろんなお客様に提供出来るようになりました。これからも笑顔があふれるスイーツを作っていきたいと思います。

お店の焼き菓子も、チェックリストを作って、常に新鮮で焼き立ての商品を提供出来るように心掛けています。

これからも、みんなにおいしいと思ってもらえるために

お菓子作りには材料が必要です。当たり前ですが、その一つ一つの原材料の知識を持たなければ自分がイメージしたお菓子を作ることは出来ません。4つの主原料と言われる小麦粉、砂糖、卵、バター(油脂)その他の副材料、乳製品、ナッツ、フルーツ、チョコレート、膨張剤、スパイス、酒、それ以外にも沢山の材料があります。

一度熱を加えて溶けたバターは冷蔵庫で冷やしても元の状態には戻りません。生クリームを絞り袋に入れて長い時間絞っているとバサバサの状態になり分離します。焼き菓子のグラニュー糖と上白糖を置き換えただけでその状態も変わります。膨張剤も、10分で焼き上がる物と60分で焼き上がる物ではその種類も変える必要があります。それには必ず理由があって、知識があれば説明できます。

スイーツのレシピは音楽の楽譜に似てるようなところがあると思います。楽譜があって、それを指揮をする指揮者がいて、演奏する奏者がいます。同じ楽譜でも指揮者と奏者が変われば、奏でられる音楽も変わるように、同じレシピでも、作る人が変われば出来上がりがどうしても違ってしまいます。それは同じ材料で作ったとしてもその時の状態、室温だったり湿度、オーブンの温度や制作時間の長さ、合わせる時のタイミング等、様々な事が要因として考えられます。

お菓子作りは料理と異なり、形の無い物から、形の有るものにつくりあげていきます。素材の勉強は、化学だと思います。だから難しくて、それだから楽しいですね。

自店をオープンしてから20年以上が過ぎました。パティシエとしてこれでいいという結論は生涯出ないと思っています。これからも日々勉強を積み重ねていき、子供からお年寄りまで、幅広い年代の方々に親しまれ、幸せを感じて笑顔があふれるスイーツを作っていきたいと考えています。

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